History
神秘の湖 - Lake of Shikaribetsu -
標高約800mと北海道で一番高いところに位置する自然湖であり「冬の凍結が最も早く、解氷は最も遅い」といわれています。
湖が凍りはじめるのは12月中旬、完全に凍結するのは1月で、11月中旬から5月中旬まで約半年間に渡り、雪と氷に覆われます。
また、夏の気温は朝晩10度近くに下がることがある一方で、日中の最高気温が30度近くに達する日もあります。反面、冬はマイナス30度以下という日もあり、1年の寒暖差が60度以上を記録するという想像以上の厳しい自然環境下にあります。
然別湖を取り囲む森は、厳冬地区のこうした気象条件下でも生存が可能なエゾマツやトドマツ、ダケカンバなどの樹木を中心に形成されています。
そしてこの森には、日本最大のキツツキであるクマゲラをはじめ、ナキウサギ、シマフクロウ、オジロワシ、エゾシカ、キタキツネ、エゾクロテン、エゾリス、モモンガなどたくさんの動物たちが暮らしています。湖の北側から澄んだ水を供給し続ける清流・ヤンベツ川は、ミヤベイワナやサクラマス、ニジマス、ワカサギにとっての貴重な産卵の場。
特に然別湖にのみ生息するオショロコマの亜種「ミヤベイワナ」は湖とそこに流入する河川を生息地として独自の進化を遂げた固有種で、現在まで大切に保護され続けてきました。